「うちの会社の強みって、なんだろう?」

経営者やマネージャーからこうした声を聞くことは少なくありません。営業がうまくいかない、広告の効果が見えない、採用が難航する……。こうした課題の多くは、実は「自社の強みが曖昧なまま外部発信している」ことが原因です。

強みが明確であれば、顧客にとっての選ばれる理由が伝わります。結果として、売上にも、採用にも、ブランディングにも好影響が出るのです。本記事では、そんな「強みがわからない」状態を脱却し、誰でも取り組める具体的な方法をご紹介します。

STEP1|顧客・取引先の声を聞くヒアリング法

STEP1

強みを知るための最短ルートは、「自分たちではなく、他人の目で見ること」です。特に効果的なのが、既存の顧客や過去の取引先へのヒアリングです。

─ ヒアリングの質問例

  • なぜ当社を選んでいただいたのですか?
  • 他社ではなく当社を選んだ決め手は何でしたか?
  • 最も満足いただいている点は何ですか?

これらの質問に対して、実際に返ってきた言葉には、意外なほど本質的な“強み”が隠れています。例えば「対応が早い」「安心感がある」「話が通じる」など、主観的なフィードバックも十分に強みです。

このような声を集約すると、自社の強みが“自分たちの言葉”ではなく“お客様の言葉”で整理されていきます。

STEP2|従業員視点で社内ワークを実施

STEP2

社内から見える“強み”も無視できません。とくに現場スタッフは、顧客と直接接している立場として、経営層では見えない視点を持っています。

─ 実施方法

  • 各部署で「うちの会社の強みだと思うこと」を付箋に書き出す
  • 顧客のクレームやよくある質問から逆算して「選ばれている理由」を洗い出す
  • グループに分かれて、サービス提供時に工夫している点を話し合う

このようなワークでは「当たり前すぎて強みだと気づいていなかった点」が見つかりやすいです。小さな違いが積み重なって、競合との決定的な差になっていることもあります。

STEP3|競合比較と3C分析で客観的に強みを把握

STEP3

主観だけでなく、客観的な視点も必要です。ここで登場するのがマーケティングフレームワーク「3C分析」です。

─ 3C分析の基本

  • Customer(市場・顧客):顧客は何を求めているか?
  • Competitor(競合):他社はどんな強みを打ち出しているか?
  • Company(自社):自社ならではの提供価値は何か?

たとえば、「価格が安い」ことをウリにしていたが、競合も同等の価格帯なら、それは差別化になりません。逆に、「レスポンスの速さ」や「柔軟な対応力」などは、競合がまねしにくい領域です。

このように市場・競合・自社をセットで俯瞰することで、“独自の強み”が明確になります。

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STEP4|過去の成功体験を分析して共通点を探す

STEP4

過去にうまくいった事例を掘り起こしてみましょう。なぜそれはうまくいったのか? その理由を言語化していくことで、強みのパターンが見えてきます。

─ たとえばこんな問いかけをしてみてください

  • 過去の成功案件で「必ず褒められた点」は?
  • 他社が失敗した案件で、自社が成功できた理由は?

このプロセスでは、自然と「顧客が価値を感じた部分=強み」として可視化されていきます。

強みを“伝わる言葉”に変える方法

強みを見つけるだけでなく、それを“伝わる言葉”に変えることが大切です。

─ 自社用語を避け、顧客の言葉で言い換える

たとえば「高い技術力」ではなく、「複雑な要望にも柔軟に対応できる力」のように、誰が聞いてもわかる言葉で表現することがポイントです。

また、営業資料やWebサイト、求人票などでも統一感を持たせることで、社外への発信力が大きく高まります。

ありがちな落とし穴と回避方法

強みを探す際に注意すべき点もあります。

─ よくある失敗例

  • “それって当たり前”なことを強みとしてしまう
    → 例:電話に出るのが早い、納期を守るなど
    → 対策:競合ができていないかをチェック
  • “やりたいこと”と“できていること”を混同する
    → 例:柔軟な対応が強みだと思っているが、実際は対応が遅い
    → 対策:実績ベースで裏付けを取る
  • 強みが多すぎてぼやける
    → 対策:3つに絞り込む。あれもこれも言わない。

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まとめ|強みを知れば、会社はもっと“選ばれる”

強みとは、特別なものではありません。「当たり前にやってきたこと」「お客様からの評価」にこそ、本質的な価値があります。

  • 顧客の声を聞く
  • 社内から見直す
  • 競合と比較する
  • 成功体験を掘り起こす

これらを丁寧に行うことで、必ず“自社だけの強み”が見えてきます。

そして、その強みを言語化し、社外に伝えることができれば、営業も採用も広報も、すべての活動が一段と力を増すはずです。