お疲れ様です。今日はタイトルの通り「AIDMAとAISAS」の違いについて解説していきたいと思います。マーケティングの世界では、顧客の購入行動を理解し予測することは非常に重要です。そこで購買行動のモデルとしてよく活用されるのが「AIDMA」と「AISAS」のような消費者の購買行動モデルです。
今回は、この二つのモデルがどのように異なり、どのように類似しているのか、そしてデジタル時代のマーケティング環境でどのように適用されるのかを解説していきたいと思います。出来る限り分かりやすく理解しやすいように、基本的な概念から具体的な適用例までを丁寧に説明していくので是非最後までご覧ください!
AIDMA(アイドマ)とは?
AIDMA(アイドマ)とは1920年代にアメリカ合衆国の販売・広告の実務書の著作者であったサミュエル・ローランド・ホールが著作中で示した広告宣伝に対する消費者の心理のプロセスを示した略語である。日本語圏において「AIDMAの法則」として、2004年に広告代理店の電通等により提唱されたAISAS[1][2]との比較等で日本では知られる[3]。
引用元:Wikipedia
マーケティングの世界では、AIDMA(アイドマ)モデルは非常に有名で、長い間マーケティングの世界で活用されてきました。このモデルは、消費者の購買プロセスを5つの段階に分けて説明したものです。Attention(注意)、Interest(興味)、Desire(欲望)、Memory(記憶)、Action(行動)の5つプロセスがあり、それぞれの頭文字を取ってAIDMAと名付けられています。ここではAIDMAモデルの各要素を説明していきます。
- Attention(注意)
- 広告やプロモーション、SNSなど様々なメディアを通じて、消費者が製品やサービスを認知するフェーズです。ここでは、企業は広告等を活用して消費者に商品を知ってもらう事が重要です。
- Interest(興味)
- 消費者が商品やサービスに興味を持ったら、次にその興味を深める情報を提供します。プロダクトの特徴や便益を明確に伝えることが重要です。
- Desire(欲望)
- 興味が欲望に変わる段階です。ここでは、製品が消費者の具体的なニーズや欲求にどのように機能するのかを訴求します。消費者に「これがないとダメだ」と感じさせることが重要となります。
- Memory(記憶)
- 製品が消費者の心に残るようにするため、繰り返しの露出が重要です。記憶に残るキャッチフレーズやロゴ、独特のデザインなどが効果的です。
- Action(行動)
- 最終的に消費者が実際に購入に至る段階です。購入プロセスを簡単にし、消費者が行動を起こしやすいようにサポートすることが重要です。
AIDMAモデルは、マス広告において効果を発揮します。例えば、テレビCMやラジオ広告、雑誌の広告などに適しています。
AISAS(アイサス)とは?
AISASは、広告代理店大手の電通が提唱した「インターネット普及時代におけるユーザーの購買行動モデル」のひとつです。デジタルマーケティングの進化に伴い、顧客の購買行動の変化を捉えたのが、AISAS(アイサス)モデルです。AISASモデルは、Attention(注意)、Interest(興味)、Search(検索)、Action(行動)、Share(共有)の5つの段階から構成されており、特にインターネットの普及によって重要性が増しています。以下、各フェーズを詳しく見ていきましょう。
- Attention(注意)
- AISASモデルの最初のステップは、消費者の注意を引くことから始まります。デジタル時代においては、SNSの投稿やWEB広告などが主な手段です。
- Interest(興味)
- 製品やサービスに興味を持った消費者は、さらに詳細を知りたくなります。ここで重要になるのは、魅力的なコンテンツを提供することで、消費者の興味を持続させることです。
- Search(検索)
- 興味を持った消費者が自ら情報を検索するフェーズです。消費者はレビューや比較サイト、公式ウェブサイトなどを通じて製品についてより深く調べます。
- Action(行動)
- 検索を経て納得すれば、消費者は購入や申し込みといった具体的な行動に移ります。
- Share(共有)
- 購入後の消費者が購入体験をSNSで共有すること。これにより、製品の認知度がさらに広がり、他の潜在的顧客の注意を引くことができます。
デジタルマーケティングの世界では、消費者が自ら情報を求め、共有することが一般的です。このため、AISASモデルは現代のマーケティング戦略において非常に有効であり、消費者のオンラインでの行動パターンを理解する上で欠かせないモデルとなっています。
※AISASについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
AIDMAとAISASの違い
マーケティング戦略を立てる際は、顧客の購買行動を理解することがポイントです。AIDMAとAISASは、その行動をモデル化したものですが、それぞれに特徴があります。ここでは、これら二つのモデルの違いを詳しく比較していきたいと思います。
- メディアの適用
- AIDMA: マスメディア(テレビ、ラジオ、新聞など)向けに設計されており、広範囲の注意を集めるのに効果的です。
- AISAS: WEBメディア(ウェブサイト、SNS、ブログなど)に適しており、インタラクティブなコンテンツが求められる環境で力を発揮します。
- 顧客のエンゲージメント
- AIDMA: 顧客が受動的な受け手となりがちで、広告やプロモーションを通じて製品に興味を持たせることを目指します。
- AISAS: 顧客が能動的に情報を検索し、共有することを前提としています。これにより、顧客自身がブランドの拡散者となり得る点が特徴です。
- 購買プロセスの流れ
- AIDMA: 注意から行動までが一方的な流れで進むため、各ステップでの影響力が直接的です。
- AISAS: 検索と共有のステップが加わることで、顧客自身が情報を深堀りし、他人との相互作用を通じて影響を受ける構造になっています。
- 時代背景と進化
- AIDMA: 集中的な広告キャンペーンが主流であった時代に適したモデルです。
- AISAS: インターネットとソーシャルメディアの台頭により、情報の検索や共有が一般化している現代にマッチしたモデルです。
- ビジネスへの適用
- AIDMA: 広告に依存するビジネスモデル、特に大規模な消費財やサービスに向けて効果的です。
- AISAS: オンラインビジネスやデジタルコンテンツを扱う企業にとって、顧客との対話やエンゲージメントを重視するために理想的です。
特徴 | AIDMAモデル | AISASモデル |
---|---|---|
メディア | マスメディア(テレビ、ラジオ、新聞) | WEBメディア(ウェブサイト、SNS、ブログ) |
顧客エンゲージメント | 受動的(企業が情報を一方的に提供) | 能動的(顧客が情報を積極的に検索し、共有する) |
購買プロセスの流れ | 一方的な流れ(注意から行動へ直接) | 相互作用が含まれる(検索や共有のステップが組み込まれている) |
時代背景 | 集中的な広告キャンペーンが主流の時代 | インターネットとソーシャルメディアの台頭 |
ビジネス | 広告に依存するビジネスモデルに有効 | オンラインビジネスやデジタルコンテンツに理想的 |
消費者の購買行動の変化
ここでは、デジタル時代における顧客の行動変化と、それがマーケティング戦略にどのように影響しているかを解説します。
- 情報アクセスの容易さ
- 現代ではインターネットの普及により、何時でもどこでも製品やサービスについて調べることができるようになりました。この結果、消費者はより情報に基づいた購買判断を行うようになり、企業は透明性を持って情報を提供する必要があります。
- 顧客エンゲージメントの変化
- SNSの台頭により、消費者はブランドとのインタラクションを期待するようになりました。企業は、顧客と直接対話を行い、そのフィードバックを製品開発やサービス改善に活かす必要があります。
- カスタマイズとパーソナライゼーション
- 顧客は自分に合ったカスタマイズされた体験を求めています。データ分析の進歩により、企業は個々の顧客の好みや過去の行動に基づいてパーソナライズされたマーケティングを展開することが可能になりました。
- オンラインとオフラインの融合
- デジタルと物理的な店舗の境界が曖昧になっています。オンラインで情報を得た後、実店舗で最終的な購買を行う「オムニチャネル」のアプローチが増加しています。
- SDGsへの関心の高まり
- 環境への配慮や倫理的な消費が重視されるようになりました。顧客は、持続可能性を考慮した製品を選ぶ傾向があり、企業は環境に優しい製品やプロセスを導入することが求められています。
これらの変化を理解し、適応することは、現代のビジネス環境において成功するための鍵です。マーケティング初心者の方々は、これらのトレンドを把握し、自らのマーケティング戦略にどのように活かすかを考えることが重要です。
まとめ
今回は、AIDMAとAISASという二つの購買行動モデルを詳しく解説しました。これらのモデルは、マーケティング戦略を立てる上で消費者の行動を理解するために不可欠です。AIDMAがマスメディアに適しているのに対し、AISASはデジタル時代の顧客の行動を捉えるために開発されました。この記事を通して、AIDMAとAISASの違いを理解して頂き、変化する市場環境に適応する戦略立案の参考にして頂けると幸いです。